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Substance Designerで色々作ってみた

こんにちは、エフェクトデザイナーの舟越です。

前回の記事では、エフェクト制作におけるSubstance Designerの利用法、及びメリットと機能検証で作成した3Dマテリアルをご紹介しました。

今回も、機能検証と練習を兼ねて3Dマテリアルを作成したのでご紹介します!
これまで作成したものは全て食べ物だったので、今度は生き物に挑戦してみました。
早速ご覧ください!

【ヒョウ柄】

生き物の模様…といってまず思い付くのは「ヒョウ柄」という方は多いのではないでしょうか。
シームレスなマテリアルとしてヒョウ柄を作っておけば、色々な服飾に流用ができそうですよね。

作成において悩んだのはやはり斑の作り方です。
当初は基準となる1個の斑を作成し、ランダムに歪ませたりスケールをかけたりして量産しようとしましたが、これがなかなか上手くいかず…
結局は数種類の斑を作り、それを適当に並べて1パターンを作りました。
とはいえ地道に一個一個を並べるのはかなりの手間になるので、なるべくタイリングのノードで並べ、部分的に個別で配置するようにして手数を減らしています。

▲斑は4種類作りました。これを歪ませたり、サイズや角度を変えたりして並べています。
▲模様そのままではステッカーのようになってしまうので、毛流れに沿った歪みを入れています。
▲地の部分の色付けです。黄色一色でも良いのですが、よりリアルさを出すためノイズでムラを出しています。

【金魚の鱗】

もさもさしたものの次は真逆の方向に挑戦してみよう…ということで、次は「鱗」です。
ペットショップやお祭りなどで馴染み深く、見た目も華やかで作って楽しそうな金魚の鱗をモチーフにしました。

今回のポイントは透明感です。
実際の金魚の鱗は透けていますが、Substance Designerのマテリアルは半透明の表現ができないため、
色で透明っぽく見せるしかありません。
金魚をよく見ると、下の地肌が光を反射して明るく見える鱗とそうではない鱗があります。
この、光の当たり方で出る差を意図的にカラーに取り入れてみました。
また、いつもなら立体感を補助するためにAmbient Occlusionで陰影を追加するところを敢えて使用せず、全体的に彩度を高く維持しました。

▲前回のパイナップルで使用したノードを応用し、鱗に細かい筋を付けています。
▲Flood Fillはいわゆる「塗りつぶし」ができる領域を判別する機能、Flood Fill to Randomはその領域をランダムな色で塗りつぶす機能です。これを使用すると同じ形状でも色でランダム感を出すことができます。

【ハムケツ】

ところで皆さんは「ハムケツ」という言葉をご存知でしょうか。
ハムケツとは「ハムスターのおけつ」を略した言葉です。
もふもふのおしり、その癒し効果は絶大です。これを自分で作れたら最高ですね。
というわけで、私自身が飼っているジャンガリアンハムスターをモデルにハムケツを作ってみました。

▲こちらは我が家のハムケツです。

今まさに穴に入ろうとしているハムケツです。沢山並べるとシュールですね。
ヒョウ柄作成時にも感じましたが、Substance Designerで毛の柔らかさを表現するのは難しいです。
Raoughness(粗さ)、Metallic(光沢)、ベースカラーなど調整して触り心地の良さそうな質感を目指しました。
元々意図した訳ではないのですが、周りをプラスチック製の筒にしたことで、結果的に質感が強調されました。
今回はシームレスなタイリング素材ではなく1つの物体、しかも生き物モチーフということで、プリミティブな図形から人工感の無い形に作りあげていくのが大変でした。
可愛い見た目とは裏腹に段々と複雑化するノードに「私は何をやっているんだ?」と我に返る瞬間がしばしばありましたが、癒しのハムケツをこの手で作れて満足です!


▲背中の濃い筋部分のグラフです。歪みで少し左右非対称にしています。
▲おしりの丸みがいい具合にできました。

まとめ

検証がてらちょっと面白いものを作ってみよう!とやり出したこのシリーズですが、いくつか作っている内にSubstance Designerへのハードルもだいぶ下がってきました。
実際の業務でもSubstance Designerでテクスチャを制作する機会が増えています。
まだまだ使ったことの無い機能や効率の良いノードの繋げ方があるはずなので、今後も楽しく勉強していきたいと思います。

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