デザイナーでもできるChatGPTを活用したUnityツール作成
こんにちは、エフェクトデザイナーの舘野です。
弊社では、AIによる作業の効率化を推進しており、社内承認を得れば社員一人ひとりが利用できる体制を整えています。今回は、エンジニアでもTA(テクニカルアーティスト)でもない私が、ChatGPTを活用してUnityツールを作成した実例をご紹介します。
ChatGPTとは
OpenAI社によって開発されたAIで、自然言語処理を用いて人間らしい対話を実現し、質問回答からコード生成まで、多岐にわたる用途に利用可能なプラットフォームです。
自分でツールが作れたらいいのにという願望
多くのデザイナーはコードを書くことができません。
システム構築が可能な作業であったとしても、力で解決するしかないのです。
そのため補助ツールの制作には、どうしてもエンジニアの支援が必須になります。
しかし、エンジニアのタスクはゲーム根幹の重要機能の制作で常にいっぱいなため、特に需要の低いツールともなると、なかなかお鉢が回ってこないのが現実です。
将来にわたり大幅に効率化が図れるものか検討し、見込みが弱い場合はマンパワーで乗り越える選択をすることも度々あります。
社内のAI活用の活発化
そんな中、世の中ではChatGPTが登場し、弊社ではすぐにAIの活用制度が展開されました。
私はこの機会を利用して、ChatGPTにツールを作らせたところ、簡易的な機能であれば、本当に瞬間にできてしまう体験に衝撃を覚えました。
▼作成イメージ
AIにより制作されたツール群
最初は、命名規則の改修により全ファイル名を変更する必要があったため「リネームツール」を作成しました。
▼リネームツール2種
文字列の置換と、文頭/末尾に文字列を追加できる。
テキストを扱うようにリネームを行うことができる。
その後も、いくつかのツールを作成しました。その一部をご紹介します。
▼マテリアル複製ツール
ゲームオブジェクトに設定されているマテリアルを複製して、差し替えることができる。
▼Prefabビュアー
セットしたPrefabを順番に再生することができる。
▼チェックツール
いろいろな条件に基づいたPrefabを見つけ出すことができる。
▼複数検索ウインドウ
条件検索を一度に複数行うことができる。
見えてきたこと
ツール制作を体験してみたことで、良かったところ・注意が必要なところ、そしてその対処が見えてきました。これらの特徴を踏まえてうまく利用することで、苦手な単純作業から救われるデザイナーが増えるのではないでしょうか。
「注意が必要」な要素に該当する場合は、はじめからエンジニアを頼るほうが効率的かもしれません。ツール制作に苦労して、結果的に自分の工数を使いすぎても意味がないですし、例えば、他の人から改修要望を受けることになれば、それはエンジニア・TAの領分だからです。
とはいえ、一回作ってみることができるのは、とても大きな変化だと感じました。
まとめ
今回は「ChatGPTを活用したUnityツール作成」の事例を紹介させていただきました。
デザイナーがひとりでちょっとした便利ツールを作成する事で、最終的にプロジェクト全体での負担減につながる手ごたえを感じていただければ幸いです。
大事なことは棲み分け。
自分で解決できる簡易的なものはAIでサクッと作る。
構造が難しいものは、今まで通りエンジニアやTAを頼る。
そんな心持ちでAIを活用して、よりデザインに注力できる環境を目指していきたいと思います。
※最後に
自作のツールは、エンジニアやTAの管理下にないため、思わぬ問題をはらむ可能性があります。
リスクをしっかり理解し、責任を持って管理していくことが大切です。
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